NTT東日本は2002年3月18日,インターネットのIX(相互接続点)の運用などを行う「WIDEプロジェクト」や慶応義塾大学,松下電器産業など14者と共同で,次世代インターネット・プロトコル「IPv6」の利用技術を検証する実験を,3月19日に開始すると発表した。東京都と神奈川県で2002年8月31日まで行う。IPv6は,現行のインターネット・プロトコル「IPv4」よりも管理可能なIPアドレスを増やし,セキュリティー機能を向上させたプロトコルである。実験では,NTT東日本によるエクストラネット・サービス「フレッツ・オフィス」や高速イーサーネットLANサービス「メトロイーサー」といった県内のデータ通信網と,WIDEプロジェクトが運用するバックボーン・ネットワークを相互接続して,Ipv6ベースのネットワークを構築する。このネットワークを利用して,(1)セキュリティー技術やQoS(Quality of Service)制御技術,(2)「MPEG-2」方式で圧縮したHDTVクラスの動画コンテンツ(伝送容量は約24Mb/s)の配信や,遠隔講義といったサービスの実用性──などの検証を行う。

 なお,NTT東日本は今回の実験終了後に,IPv6を使った商用サービスの提供を計画しているが,その時期は現時点で未定としている(3月18日発表)。