2001年1月6~9日に米国ラスベガス市で,家電製品の国際展示会「CES」(Consumer Electronics Show)が開催された。今年の特徴は「ディジタル情報家電」の具体的な姿が示されたことである。米国では通信インフラのブロードバンド(高速・広帯域)化が進んでおり,ディジタル地上波放送(DTV)をはじめとするディジタル放送とブロードバンド通信ネットワークの融合によって,ディジタル情報家電市場が着実に成長していることを印象付ける展示内容だったといえる。

 ディジタル情報家電の実験場といえるのが,米衛星放送事業者「DIRECTV」のブースだった。米Microsoftが提唱するディジタルテレビ・サービス「Ultimate TV」に準拠したセットトップ・ボックス(STB)を展示した。同STBには二つのディジタル・チューナー機能とハードディスク駆動装置(HDD)が内蔵されており,一つのチャンネルの番組を録画しながら,もう一つのチャンネルの番組を見ることができる。

 PVR(Personal Video Recorder)機能付きSTBメーカーとして知られる米TiVoは,PVR機能を内蔵したDIRECTV用チューナーを使ったデモを実施した。同STBの店頭価格は数百ドルであり,米国ではいよいよ数万円の初期費用で衛星放送の番組をタイムシフトして視聴できる時代を迎えたようだ。

 このほかにDIRECTVは,現行のBSデータ放送と同水準の双方向サービスで,米Wink Communicationsと提携している。今回の展示会では,提携サービスの第1弾である地域の気象情報チャンネル「Instant Weather」のデモを行った。さらに,米America Online(AOL)と提携して提供するサービス「DIRECTV/AOL TV」も展示した(詳細は日経ニューメディア2001年1月22日号に掲載)。■

日経ニューメディアのホームページへ