J-フォンは12月3日、第3世代携帯電話(3G)の本サービスを2002年12月20日から始めると発表した。海外でも同じ電話番号のまま、通話したりショート・メッセージ・サービス(SMS)を使えるのが特徴で、3G向けのテレビ電話サービス「TVコール」も開始する。一方、内蔵カメラで撮影した動画像を送信する「写メール」の機能は、来夏以降の本格展開まで“おあずけ”となった。

 サービス名は、「Vodafone Global Standard」。対応端末は3G専用と、欧州で主流の現行規格(2G)であるGSM方式とのハイブリッド端末とがある。ハイブリッド端末のユーザーは、海外のGSMサービス対応地域で通話やデータ通信、SMSを利用できる。3G専用端末の場合は、ユーザーの個人情報が記録されているUSIMカードを現地のGSM端末に差せば、同じ電話番号で使用することができる。

 海外ローミング機能を充実させる一方で、一般ユーザーから支持を集めている「写メール」導入は、来夏以降の本格展開まで先送りした。これは、3Gの国際標準規格である3GPPの最新基準への対応を優先させたため。当面は、主に法人と海外での利用が多いユーザーを狙い、2003年度中に100万契約を目指す。サービス開始当初の人口カバー率は71.1%だが、今後エリア拡大を急ピッチで進め、2003年夏には2G並みの99%以上にする。

 J-フォンは通話エリアが2G並みに拡大した時点で、ネット接続サービス「J-スカイ」や、鮮明な動画像が送れる「写メール」などの人気サービスを大々的に投入する計画だ。同社のダリル・E・グリーン社長は、「サービスは現行のままでも充実しているが、例えば『ムービー写メール』をもっと高品質にするには3Gが必要。3Gは今のサービスの力を伸ばせる技術だ」と話す(写真)。