スクウェアとエニックスは11月26日、2003年4月1日付けで合併すると発表した。新会社の商号は「スクウェア・エニックス」。エニックスが存続会社となり、スクウェア株1株に付き、エニックス株0.81株を割り当てる。新会社の社長にはスクウェアの和田洋一社長(写真左)、副社長にエニックスの本多圭司社長(写真右)、会長にはエニックスの福島康弘会長(写真中央)が就任する。

 エニックスの本多社長は「ネットワークやモバイルなど、ゲームの適応領域が広がっている。こうしたゲーム産業の環境変化に対応する解決策が合併だった」と説明する。既にスクウェアは国内でネットワークRPGの「ファイナルファンタジーXI」を提供しており、現在、利用者数は18万人に上る。さらに2003年後半には、北米でもサービスを開始する見通しである。

 一方、エニックスは中国や台湾でネットワークゲームを展開。さらに国内で約100万人の携帯電話ユーザー向けに、ゲームなどのコンテンツを提供している。スクウェアの和田社長も「欧米に強いスクウェア、アジアに注力するエニックスと、両社の取り組みは補完関係にあり、合併の相手として最適だった」と強調する。

 合併初年度の業績見通しは、2004年3月期が連結売上高610億円、経常利益は185億円、2005年3月期で連結売上高800億円、経常利益270億円。合併初年度はエニックスのソフトウエア直販網でスクウェアの作品を販売したり、出版事業へのスクウェアのコンテンツの投入などで、粗利ベースで約30億円の改善を見込んでいる。

(永井 学=日経ネットビジネス)