サーバー製品の開発などを手がけるデジタル・ボックス(東京都千代田区)は、公衆電話のように小銭を投入することで一定時間利用できる“公衆パソコン”、「バルクヘッドパソコン」を開発。11月21日からミノルタと共同で、ホテルや空港、学校などへの販売を開始した。

 バルクヘッドパソコンは、小銭を投入すると一定時間、インターネットや各種パソコンソフトを利用できるようにしたパソコン。インターネットカフェのようにスタッフがユーザーを監視できる環境でなくても、公衆電話と同じ感覚で無人サービスを提供できるのが特徴だ。課金装置は、小銭や紙幣、プリペイドカードといった精算手段や課金単位を、導入企業の要望に応じて変更できる。

 無人でサービスを提供するために、公衆パソコンと同一のLAN上に集中管理用のコンピュータを設置する。トラブル発生時の復旧などもすべて、この管理用コンピュータから操作する仕組みだ。また、ネットワークにウイルスを流したり、不正アクセスなどに使われないようにセキュリティも強化。公衆パソコンから外部のネットワークに悪影響を及ぼさないよう、同一きょう体内にLinuxベースのファイアウオールを内蔵し、同社が開発した「バルクヘッド(防水隔壁)」と呼ぶセキュリティ技術を搭載した。

 同社はミノルタと組み、ミノルタのプリンタとセットにした販売も実施する。デジタル・ボックスの宮田明社長は、「出張中のビジネスマンなどが、持参した資料や、Webサイトを使ってその場で調べた情報をプリントアウトできれば、利用者が広がるはず」と期待をかける。ワープロや表計算など、パソコンに搭載するソフトウエアは導入企業が独自に決定する。ビデオ・オン・デマンドやIP電話などのサービスを、ネットワーク経由で提供することも可能だ。価格は1台40万円。年間で1万台の販売を目指す。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)