NTTドコモは11月21日、iモードのパケット通信網にインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が接続できる仕組みを総務大臣に届け出た。ISPが独自のポータルサイトを運営したり、メール機能を提供することが可能になるもので、iモード通信網の“開放”と言える。NTTドコモは既に数十社のISPと接続に関する協議を進めており、早ければ12月にもサービスが始まる見通しだ。
 
 NTTドコモは、ISPに対してiモードのパケット通信網への接続インタフェースを提供する。パケット通信網に接続したISPは、iモードと同等のサービスをユーザーに提供できる仕組みだ。
 
 例えばユーザーが携帯電話の「iメニュー」ボタンを押すだけでISPのポータルサイトに接続したり、「docomo.ne.jp」とは異なるISP独自のドメイン名を持ったメールアドレスを送受信できるようになる。NTTドコモの「iエリア」のような基地局の位置情報を利用したコンテンツや、プッシュ型情報配信サービス「メッセージフリー」と同等のサービスも提供できる。

 ようやくiモード通信網が“開放”されることになり、コンテンツ提供事業者にとって、iモードを巡るビジネス環境にも大きな変化が訪れた。「公式サイト」だけがコンテンツ利用料をドコモに徴収してもらえる優位性は変わらないが、ISPが用意する課金サービスを利用すれば同等の利便性は確保できる。ISP独自のiモード向けポータルは、コンテンツ提供事業者にとって新たなビジネスチャンスになるはずだ。

(瀧本 大輔=日経ネットビジネス)