NTT未来ねっと研究所は11月13日、シカゴにあるイリノイ大学とロサンゼルスにある南カリフォルニア大学間の約3000kmを結び、300Mビット/秒の大容量コンテンツをストリーミング配信する実験に成功したと発表した。

 この実験で配信したのは、35mmフィルム映画並みの超高精細デジタルシネマ。同研究所小野特別研究室の小野定康室長によると「画質はハイビジョンの4倍程度。このクラスの映像を3000kmの長距離間で配信するのは世界初の試み」という。実用化されれば、映画館にネットを通じて映画をオンデマンド配信したり、公民館や競技場などの公共施設にスポーツの試合やコンサートをライブ配信することが可能になる。

 ただし実用化は「まだ5年程度はかかる」(小野室長)。今回の実験では北米の約200の団体が参加している次世代インターネット研究開発コンソーシアム「Internet2」のバックボーンを利用した。ルーターなどの構成機器の容量の問題から、通常のインターネットではまだ配信できないという。

(平野 亜矢=日経ネットビジネス)