メール・マーケティング会社のルート・コミュニケーションズ(東京都千代田区)は10月23日、無農薬野菜などをネットで通販するオイシックス(東京都品川区)と共同で実施しているHTMLメールの効果に関する実験調査の中間結果を発表した。

 この実験は、ネット通販の販促メールをHTMLメールとテキストメールの両方で送り、実際に商品の購買に至った購買率を比較するというもの。調査結果によると、HTMLメールの効果はテキストメールに比べて最小で0.69倍、最大で10.06倍だった。調査結果は、 24日午後からhttp://www.rootcom.jp/vmm/にも掲載する予定。

 調査は2002年6月から毎月、全6回の予定で実施中。今回は、第3回までの結果を中間報告としてまとめた。第1回は「とうもろこし」、第2回は「富良野メロン」、第3回は10種類以上の野菜をセットにした「おためしセット」と、3種類の商品の販促に約15万通のメールを配信。HTMLメールの送信を許可したユーザーにHTMLメール、テキストメールしか許可していないユーザーに通常の電子メールを送り、実際の購買率を比較した。

 HTMLメールは2種類を用意し、HTMLによる創作性の影響も同時に調査した。1つはHTMLメール中に商品説明を多くし、メール内に購買ボタンを用意して即座に購入できるようにした「A型」。もう1つは大きな画像を使うなどデザインを重視する一方で、購入までには3ステップの操作が必要な「B型」だ。各回のテキストメールの購買率を1としたときに、第1回はA型が2.59倍、B型が1.11倍、第2回はA型が0.69倍、B型が1.38倍、第3回はA型が10.06倍、B型が7.56倍という結果になった。

 HTMLメールが最大の10.06倍を記録した第3回の「おためしセット」について、ルート・コミュニケーションズの塚田耕司社長は、「各野菜の特徴をテキストで説明するよりも、画像で見せた方が消費者にとって分かりやすかった点が好結果に結びついた」と分析する。逆に、A型、B型ともに効果がテキストメールと大差なかった第2回の「富良野メロン」については、「商品が高額だったことや配信時期がお盆だったことなどが影響した。商品特性や時期、作り方によってHTMLメールの効果に大きな差が出ることがはっきりした」(塚田社長)と説明している。

(永井 学=日経ネットビジネス)