カジュアル衣料ショップ「ユニクロ」を全国展開するファーストリテイリングは、100%子会社のエフアール・フーズ(東京都渋谷区)を通じて、2002年11月15日から野菜などのインターネット通販へ本格的に乗り出す。注目されていた商品の価格は、ユニクロで販売する衣料品とは異なり、「スーパーに並ぶ一般の品より2割程度割高になる」とエフアール・フーズの柚木治社長(写真左、写真右はファーストリテイリングの柳井正社長)は言う。

 エフアール・フーズが販売する商品は、トマトやナスなど約60品目の野菜類のほか、果物30品目、米、卵、牛乳など。商品は同社が生産委託した国内の約500~600の農家から仕入れる。これらの契約農家は、糖度や栄養価の高い野菜作りで知られる「永田農法」の永田照喜治氏のアドバイスを参考に選定した。

 今回販売する野菜は永田農法にのっとり、使用する農薬や肥料、水の量などを、通常の栽培方法よりもかなり低く抑えるため、手間がかかる上、収穫量も少なくなる。こうしたことが価格を押し上げる要因になっている。その分、作物に残留する農薬や重金属を検査して、自社の基準をクリアできないものは、仕入れの対象外とするなど、安全性の高さを付加価値として押し出す。検査は外部機関に委託する。

 商品は、Webサイト「SKIPストア」のほか、事前に指定した野菜のセットを隔週で会員に配達する「SKIPクラブ」、トラックで全国を回る「SKIPトラック」、テント式の仮店舗「SKIPテントストア」の4つのチャネルから販売する。SKIPストアでは、2002年10月3日から一部商品のセット販売のほか、SKIPトラックの巡回も開始した。

 エフアール・フーズでは、2003年10月までの1年間に16億円の売り上げを見込んでいる。内訳は、SKIPクラブで10億円、SKIPストアで5億円、SKIPトラックとSKIPテントストアの移動販売で1億円としている。開始から2~3年目での黒字化を目指す。

(太田 憲一郎=日経ネットビジネス)