関西電力系の電気通信事業者であるケイ・オプティコム(大阪市北区)は9月27日、企業向けの安価なFTTH(fiber to the home)インターネット接続サービス「eoオフィスファイバー」を10月1日に開始すると発表した。同時に、企業向けインターネット接続サービス「ビジネスeo」に、廉価メニューの「エコノミー」と「ライト」を追加する。FTTHとは、光ファイバーをユーザー宅に直接引き込む回線サービスのことである。

 通信速度は、いずれも最大100Mビット/秒。ただし、ケイ・オプティコム側のルーターを複数のユーザーで共有するベストエフォート型のサービスである。eoオフィスファイバーの月額利用料は、固定のグローバルIPアドレスを1個割り当てるメニューが2万9800円、8個割り当てるメニューが3万9800円。ビジネスeoエコノミー(IPアドレス8個)、同ライト(同16個)、同ライト(同8個)は、それぞれ29万5000円、19万5000円、15万円である。

 eoオフィスファイバーと、ビジネスeoの料金が大きく異なるのは、ケイ・オプティコム側ルーターでの共有ユーザー数に差があるからである。eoオフィスファイバーの方が多くのユーザーで共有するため、速度が低下しやすい。ただし、実際に最大何ユーザーで共有するのかは明らかにしていない。さらにeoオフィスファイバーは、接続端末数を最大50台に制限する。このためケイ・オプティコムは、「eoオフィスファイバーは、オフィスビル内などのSOHOや小規模事業者に適したサービス」と説明する。

 また、ライトの料金がエコノミーより安いのは、夜間(22時から翌6時)の利用可能帯域を最大1Mビット/秒程度に絞り込むため。ネットワーク監視および障害対応も、ライトは8時から22時に限定する。

 これら3サービスの提供地域は近畿2府4県。現在、世帯数で約7割のエリアをカバーしているという。同じ地域で提供されている企業向けFTTHサービスとしては、ほかにNTT西日本の「Bフレッツ ビジネスタイプ」がある。同サービスの通信速度は最大100Mビット/秒で、利用料は月額4万円。ただしインターネット接続料が別に必要だ。最大接続端末数はeoオフィスファイバーと同じ50台である。

(安井 晴海=日経ネットビジネス)