東京電力の子会社、スピードネット(東京都港区)は、2002年9月17日から、その場でIDを発行して“公衆電話”のように使える無線LANサービス「ノマディック・サービス」の実験を開始する。IDは利用時間にかかわらず、24時間後に自動的に無効になる仕組みで、1ID当たりの料金は300円程度になる予定だ。

 現在、無線LANサービスの多くは月額1000~2000円程度の定額料金で提供している。これに対しスピードネットでは、「24時間以内なら300円という料金で、“公衆電話”のように手軽に利用できる無線LANサービスのニーズを探っていく」(スピードネット)考えだ。

 IDとパスワードを取得するには、サービスを提供する店舗で専用のスクラッチカードを購入するか、クレジットカードを使う。パソコンでノマディック・サービスの専用ページにアクセスして、スクラッチカードに表示された実験参加者番号と氏名などを入力すると、IDとパスワードが画面に表示される。実験参加者番号の代わりにクレジットカード番号を使うこともできる。また、同社が提供する無線インターネット接続サービスのユーザーなら、実験期間中は無料で利用可能だ。

 ノマディック・サービスでは無線方式として「IEEE802.11b」を採用。実験期間は2002年9月17日~2003年2月28日で、東京電力とエーエム・ピーエム・ジャパン(東京都千代田区)が共同で展開するコンビニエンスストア「TEPCO de am/pm」の渋谷店と横浜市緑区の中山店で実施する。商用サービスは来年3月以降に開始する予定。

(太田 憲一郎=日経ネットビジネス)