紀伊國屋書店は9月10日に、書籍販売サイト「BookWeb」をリニューアルした。1500円の入会金の廃止や、全国9店舗の店頭在庫の検索や商品の取り置き、洋書の値下げの3つが柱となる。同社のネット関連の売り上げは、2002年8月期で、一般消費者向けの「BookWeb」が30億円、法人向けの「BookWeb Pro」が15億円の合計で45億円。今回のリニューアルで、年商100億円を超えるとみられるアマゾン ジャパン(東京都渋谷区)の「Amazon.co.jp」を追い上げたい考えだ。

 「和書・洋書のデータベースはメンテナンスに費用がかかる。受益者負担が原則と考え、入会金を取ってきたが、そろそろ廃止しても良い潮時だと判断した」(紀伊國屋書店店売推進本部ネットビジネス部の小澤利彦部長)。7月末の販売イベントで、BookWeb会員以外の注文も受け付けたところ、1日の注文1000件のうち8割を非会員が占めたことも、今回の入会金廃止につながった。現在の会員数は24万人。既に入会金を廃止したことで、新規会員は以前の3倍のペースで伸びているという。

 また、これまで「BookWeb」とは別に「ハイブリッドウェブ」の名称で提供してきた、紀伊國屋書店各店の店頭在庫の検索サービスとの連携を強化した。BookWebで書籍を検索するときに、新宿本店、新宿南店、横浜店、神戸店、札幌本店、大阪梅田本店、広島店、福岡店、徳島店の9店舗の店頭在庫を確認でき、配送ではなく店頭での取り置きも指定できる。年末をメドに、対象となる店舗を新潟店、仙台店など合計20店に広げる考えだ。「アマゾンと異なり、店舗と連動するクリック&モルタルを強化していく」と小澤部長は話す。

(永井 学=日経ネットビジネス)