松下電器産業は、接触型・非接触型のICチップを搭載した社員証の発行事業に乗り出す。まずは2003年4月から松下グループ内での運用を始め、その後、積極的に外販を手掛けていく。非接触ICチップについては主に「Type B」の規格を採用する方針で、FeliCa(Type C)の普及を進めるソニーに対抗する。

 現在、非接触ICカードには、ICテレホンカードに採用された「Type A」、住民基本台帳カードに採用された「Type B」、JR東日本の乗車券/定期券「Suica」に採用された「FeliCa(Type C)」の3種類がある。今回、松下電器がType Bを採用した背景には、「行政の後押しを受けて、今後、最も普及するだろう」(コーポレートコミュニケーション本部広報グループ)との思惑がある。

 その一方でFeliCaは、「Suica」の普及や、コンビニエンスストア「am/pm」などで使える電子マネー「Edy」のサービスが始まったことが追い風となり勢い付いている。

 これに対して松下電器は、「Suicaが広がったからといって、Type Bの普及の可能性がなくなったとは思わない」(広報部)と強気の構えを見せる。

(平野 亜矢=日経ネットビジネス)