日立製作所は今年10月をめどに、NTTドコモ、シャープ、デジブックジャパン(東京都千代田区)と共同で、PDA向けに電子書籍配信サービスを開始する。価格や配信する書籍などの詳細は、9月ごろまでに決定する。
 
 日立は電子書籍の配信・課金システムの運営を担当する。NTTドコモとシャープは、PDAでアクセスできるコンテンツ配信用のWebサイトをそれぞれ用意し、そこからユーザーが電子書籍をダウンロードできるようにする。また、ユーザーからの利用料徴収も行う。書籍の内容を電子書籍用のフォーマットであるXMDF形式に変換する作業はデジブックジャパンが担当する。当面は、シャープの「ザウルス」やPocket PC、Windows CE、PalmなどのPDAユーザー向けにサービスを提供するが、いずれは、携帯電話への配信も予定している。

 日立は近年、パソコンやサーバーなどのハードウエア市場が伸び悩んでいることから、ソフトウエア開発やサービス分野の事業強化を進めている。ネットを利用したBtoC向けのサービスについても、複数の企業と共同で開発・事業化を進めており、今回のサービスはその一環だという。i.e.ネットサービス事業部事業企画部の奈木野勝久部長は「今年度中に、BtoC向けのサービスをもう1つ立ち上げる予定」と語る。

(平野 亜矢)