検索サービス大手の米オーバーチュア サービス社は6月27日、日本で事業展開することを発表した。同社は日本法人オーバーチュア(東京都千代田区)を設立し、7月1日から営業を開始する。今後日本語化の作業などを進めて、2003年第3四半期に日本語版の検索サービス提供を開始する計画だ。既にポータルサイトの「goo」と「Lycos」が、この検索サービスを採用することを決めている。両サイトとも、従来の検索エンジンと併用する形をとる。「本サービス開始までに、5つ程度のポータルサイトと契約したい」と日本法人の鈴木茂人社長は話す。

 米オーバーチュアが提供する検索サービスは、「スポンサード・サーチ・サービス」と呼ばれる。特定の検索キーワードに対して広告料金を払った企業のサイトが、検索結果の上位に表示される仕組みだ。複数の企業が同じキーワードを指定した場合、高い料金を提示した企業順に表示する入札方式を採用している。ユーザーが実際に企業のURLをクリックした際に、企業はオーバーチュアに広告料金を支払う。広告料金は1クリック当り25円から。

 米国では既に、スポンサード・サーチ・サービスは定着している。「Yahoo!」や「msn」「excite」などのポータルサイトが、オーバーチュアのサービスを導入している。米オーバーチュア社の業績も好調で、2001年第3四半期に黒字化を達成し、2002年第1四半期には売上高が1億4300万ドルに達した。日本法人は売り上げ目標を明らかにしていないが、鈴木社長は「米オーバーチュアが黒字になるのに4年かかった。それより短い期間で黒字化を目指したい」と話す。

(小川 弘晃=日経ネットビジネス)