電通、サイバー・コミュニケーションズ、アゼスト(東京都千代田区)は共同で、6月17日からテレビコマーシャルをネット配信するサービス「e-CM」を開始する。「goo」「iタウンページ」「スポーツナビ」「OZmall」「RBB Today」の5サイトに配信し、大塚製薬とヤマハ発動機が第1号の広告主となる。

 テレビCMのネット配信はこれまで、出演タレントなどの権利処理が煩雑なため、広告主が自社サイトやブロードバンド専用サイトで限定的に配信するのにとどまっていた。e-CMは、従来のバナー広告と同様、広くネット配信できるように、テレビCMを権利処理した上で、ナローバンドも含め複数のサイトを通じて配信する初のサービスとなる。

 e-CMでは、Webページの一部に、15秒程度のテレビCMを連続してストリーム配信する。配信システムを開発したアゼストの佐藤裕幸専務は、「ブロードバンドユーザーに限定して配信すると、視聴できるユーザーが少なくなり、広告としては売りにくくなる。そこで、表示サイズを小さくしたり圧縮方式を工夫したりすることで、28.8kビット/秒のナローバンド接続でも再生できるようにした」と説明する。

 広告主へのセールスや権利処理は、電通が担当する。権利処理には、電通と博報堂が共同開発したCM配信許諾管理システム「アド・ミッション」を活用する。サイバー・コミュニケーションズは、e-CMを配信する媒体サイトを獲得するための営業を担当する。広告料金は、5サイトに配信する場合で、1週間500万円程度。テレビCMの圧縮などの費用は別途必要で10万円弱。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)