BtoB向けソフトウエアの大手、米アリバ社のロバート・カルデローニCEO(最高経営責任者)が来日し事業方針を説明した。同社は、間接材のネット調達の大企業向けソリューション「Ariba Buyer」を主に販売しており、日本ではソニーや松下電工、セブン-イレブン・ジャパン、アサヒビールなどが導入している。カルデローニCEOは「ネットバブルがはじけた今が、ネット調達で支出管理を実現するなど業務改革に取り組む好機である」ことを強調した。会見の概要は以下の通り。

 「アリバは今まで、日々の購買を電子化するe-プロキュアメント(ネット調達)のソリューションを提供する会社としてやってきた。しかし今後は、価格交渉や購買データの分析といった購買にかかわる、すべての業務プロセスを電子化して支出をコントロールする、“スペンド・マネジメント”の会社としてソリューションを提供していく」

 「e-プロキュアメントを実現するAriba Buyerだけではなく、既に私がCEOに就任してから9カ月間に、スペンド・マネジメントのための6つの製品を出荷した(日本ではそのうち4製品が出荷済み)。特に、バイヤーが複数のサプライヤーとの間で逆オークションなどを実施し、効率的に価格交渉して調達先を決定できるAriba Enterprise Sourcingの引き合いが強く、既にアリバ全体の30%以上の売り上げを占めている。導入企業の多くは、約15%程度のコスト削減を実現している。総額500万ドル分の購買で約70%のコスト削減を実現した企業もある」

 「今まで、e-プロキュアメントのシステムを導入することがブームとなり、その効果が誇大に宣伝されてきた。十分な業務改革がなされないまま、購買部門ではなくシステム部門が主導して導入するケースもあった。そもそも、e-プロキュアメントの目的はシステムを導入することではない。購買を管理しコスト削減を実現する業務改革にある。ITバブルがはじけた今、じっくりと業務改革に取り組む良いチャンスが到来している」

(大竹 剛=日経ネットビジネス)