CATVインターネットのユーザー向けに動画や音楽、ゲームなどを配信するAII(東京都品川区)は、有料コンテンツ配信の新たなビジネスモデルを構築するため、CATV局との提携を強化する。手始めとして、5月31日にイッツ・コミュニケーションズ(イッツコム、東京都渋谷区)とコンテンツに関するアフィリエイト契約を締結し、今後売り上げの一部をイッツコムに分配する。ほかのCATV局とも同様の契約を順次結ぶ予定だ。

 AIIは従来、イッツコムのユーザー向けに配信する有料コンテンツについて、プロモーションコストを負担する代わりに、利用料などの収入を独占していた。しかし今後は、アフィリエイト契約によりプロモーションをイッツコムに任せる代わりに、利用した会員数に応じて売り上げの一部を支払う。ビジネスモデルをレベニューシェア型に変更するわけだ。

 AIIは、「アフィリエイト契約を結ぶことで、イッツコムは会員や地域の人々に対し、より積極的にAIIのコンテンツをPRをしてくれるだろう。直接の売り上げが減っても、その効果は大きい」としている。一方、イッツコムにとっても、有料コンテンツを新たな収入源として期待できる。

 また、AIIは6月中に、イッツコムの会員を対象としたプレイステーションBB向けのコンテンツ配信も開始する。サービスの具体的な内容は未定だが、プレイステーション2とブロードバンドユニットを利用して、XMLベースのコンテンツをテレビでも視聴できるようにする。「将来は、プレイステーション2だけでなく、PDA(携帯情報端末)やセットトップボックスでも利用できるようにしたい」(AII)という。

(平野 亜矢=日経ネットビジネス)