ネットワークシステムの構築を手掛ける日本アバイア(東京都港区)は、報道機関のカメラマン向けに、「2002FIFAワールドカップ」のグラウンド内に無線LAN環境を構築する。これにより「ピッチ(グラウンド)で撮影したデジタル画像を、即座にネットで公開することが可能になる」(同社の鵜野正康社長)。

 親会社の米アバイヤ社はワールドカップのオフィシャルパートナー。その関係で、日本アバイヤは日本の各試合会場で使用するネットワーク関連機器の準備をしてきた。今回、無線LAN以外にも、IP電話の設置や、ネットワーク機器に関するイントラネットのシステムの設計を行っている。システムの規模は配線の長さが5000km、1万台の通信機器と100台以上のネットワーク・スイッチ、200台以上の無線LANのアクセスポイント、400人以上が同時アクセスできるIP電話などだ。

 米アバイヤ社は、米ルーセントテクノロジーズ社の一部門が2000年にスピンアウトしてできた企業。そのため、実績はあっても知名度が低いのが同社の悩みだった。そこで今回のワールドカップでの仕事で、名前を売り込もうとしている。

(田村嘉麿=日経ネットビジネス)