「ガイド」と呼ぶ専門家が、おすすめサイトを紹介する情報サイト「All About Japan」(http://allabout.co.jp/)が、2001年2月15日に開設以来、当初の予定より2カ月早く月間ユニークユーザー350万人を達成した。その背景には、検索エンジン向けにWebサイトを最適化する「SEO(Search Engine Optimization)」を実施したことが大きい。リクルート・アバウトドットコム・ジャパン(東京都渋谷区)のSEOの担当者である、ガイドマネジメントグループの白石俊哉氏にユーザー獲得の裏側を聞いた。

――SEOの担当となったのはいつですか。

 2001年の10月です。会社全体に、検索エンジンからの集客を強化すべきという気運が高まり、担当者を置くことになりました。検索エンジンからの訪問者は、目的を持っているユーザーが多いため、我々のサイトのファンになってくれる可能性が非常に高い。そうしたユーザーを逃がさないためにも、検索結果で常に上位表示されることが大切だと考えました。

――どんな作業をしているのですか。

 検索サイトでよく使われているキーワードを調べ、そのキーワードに合うコンテンツがあったら、そのコンテンツのページを改良します。例えば、ページ内でのキーワードの配置を変えたりします。1ページ当りのキーワードの数が多すぎても「スパム(迷惑な)行為」とみなされ、検索エンジンからの評価が下がってしまいますから、全体のキーワード数も考慮しないといけません。トライ&エラーを重ねながら、最適な配置や数を探っています。また、他のサイトから張られているリンクの数も検索結果に影響するので、ガイドが紹介するサイトには、相互リンクをお願いしています。

 SEOはまだ情報が少ないだけに、情報収集にもかなり時間を費やしています。情報収集は主にWebを使っています。よく利用しているサイトは「SEO Japan」(http://www.seojapan.com/)です。非常にコアな情報が満載で、さまざまなノウハウを得たのですが、時間がなくて実行できていないものばかりです。

――これまでにどんな成果が出ているのでしょうか。

 SEOの成果を判断するのは難しいですが、例えば検索結果の順位が上がりました。元々、多くのコンテンツが検索結果で上位に表示されていましたが、SEOの作業以降、順位が上がったコンテンツはありますが、下がったものはありません。また、ユニークユーザーが順調に伸びているのも、SEOの成果だと思います。昨年10月時点のユニークユーザーは約200万人でしたが、今年の5月には350万人にまで増えました。もちろん、コンテンツの内容自体を拡充したことが一番大きく影響しているのでしょうが、SEOもユニークユーザーを増やした大きな要因だと考えています。

(聞き手は小川 弘晃=日経ネットビジネス)