UFJ銀行は5月下旬から、一般顧客向けキャッシュカードのICカード化を開始する。東京三菱銀行やみずほグループも社員や大口取引先などに限定して既にICキャッシュカードを発行しているが、大手銀行が一般ユーザーを対象とするのは今回のUFJ銀が初めて。今年度の発行枚数は約2万枚を見込んでいる。まずは、総合口座「オールワン」の開設をネット経由で申し込んだ顧客に対して発行する。今後、ネット以外での申し込みや普通口座の顧客向けなど、順次対象を拡大していく。

 今回発行するICカードは接触型で、OS(基本ソフト)には複数のアプリケーションを1枚のカードに搭載できる「MULTOS」を採用した。キャッシュカード機能に加えて、共通ポイントの「プレッツ」機能も備えている。今後、ネット上での本人確認や電子マネーによるネット決済、電子チケットのダウンロード収納端末としての利用など、多機能化を進めていく。ICカードの発行コストは、磁気カードに比べて3~5倍と高い。UFJ銀行リテール業務部の関真一郎調査役は「発行コストを回収するためにも、多機能化させて他企業との提携を進め、手数料収入を得られるようにしたい」と話す。

(河野 修己=日経ネットビジネス)