ヤフーは26日の決算発表の席上、4月15日に開始したオークションの従量課金導入の影響を公表した。それによると、3月末日時点での1日当たりの総出品数が約420万件だったのに対し、現在は約230万点に激減。新規の出品数も50~60万件から20~24万件に減少した。ヤフーの井上雅博社長は、「従来は同じ商品を複数出品するなど無駄な出品が多かったが、これが減っている。課金導入に当たり、出品数は約半減すると予想したが、その通りに進んでいる」と強気だ。

 ヤフーが導入した従量課金は、月額280円の本人確認の費用のほかに、新たに出品者から1出品ごとに10円を徴収するというもの。井上社長は、「無駄な出品が減ったことで、落札率は課金導入以前が25~28%だったのに対して、直近では40%を上回る。一件当たりの平均落札金額は、6500円と一定を保っている」と言う。

 5月15日からは、落札金額の3%を出品者から徴収する予定だ。それにより出品数の減少がさらに続く可能性もある。昨年4月に月額280円を徴収した際には、一時的に出品数が減ったが、その後再び増加した経緯もある。ネットオークション大手のディー・エヌ・エー(DeNA、東京都渋谷区)が落札手数料を5%から2.5%に引き下げるなど、ライバル企業の“顧客奪取”へ向けた動きも活発化している。ヤフーの狙いは収益源基盤の強化だが、オークション事業の先行きはまだ不透明だ。

 ヤフー単体の2002年1-3月期の売り上げは96億円、経常利益は34億円で、それぞれ前期比9.3%、12.4%の増収増益となっている。4四半期連続で前期比マイナスで推移してきた広告事業の売り上げがプラスに転じ、3.8%増の28億円となった。ADSL接続サービス「Yahoo!BB」も、モデム販売による売り上げが前期比で約2割落ち込んだものの、接続サービスによる収入が補い6.3%増の49億円となった。オークション事業は前期比33.5%増の11億円となっている。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)