鷹山は、PHS端末向けのネット電話サービス「Bit Phone」を、無線LAN接続サービス「Bit Stand」と同時に実施する。両サービスとも5月13日から、横浜のランドマークタワーの43階にある鷹山のショールームや、東京・新宿、渋谷、大手町のアステルショップなどで実証実験を開始。今年8月、もしくは9月にモニターサービスを始め、今秋には都内4000カ所で本サービスに移行する予定だ。

 Bit Phoneでは、ビル内や駅構内に独自に設置したPHS基地局を利用する。基地局から光ファイバーを介してインターネットに接続し、PHS端末をIP電話として利用できるようにする。既存のPHS基地局はISDN回線で接続しているために、独自の基地局を設置することにした。基地局のカバー範囲は半径50mとしており、その範囲外で電話をかける場合は、通常のPHS端末として利用する。事前に登録しておけば、既存のアステル用端末も使用可能。料金は未定だが、定額制を採用する。

 一方のBit Standは、ビルや駅などのホットスポットでノートパソコンに無線LANカードを装着して利用することを想定している。登録ユーザーにはポケットベルを配布し、毎日異なるログインIDを送信することで、なりすましなどを防ぐ。月額利用料は2000円~3000円になる見込みだ。

 同社の高取直社長は「Bit Phoneを使えば、PHSでも定額で好きなだけ話ができる。今後、全国にサービスエリアを拡大していく予定だ。Bit Standも既に玩具メーカーと10万ユーザー分の契約を結んでおり、拡大すると見込んでいる」と語った。

(平野 亜矢=日経ネットビジネス)