アルプス電気、TDK、村田製作所など半導体・電子部品メーカーは共同で、半導体・電子部品の電子カタログ配信会社「PartsWay(パーツウェイ)」(東京都千代田区)を4月初旬に設立する。パソコンや家電などのセットメーカー(部品を集めて組み立てを担当する)が運営する調達サイトや、電子部品商社などのe-マーケットプレイスを対象に、約30万点の半導体や部品の電子カタログを7月から配信する。

 上記3社のほかにも、電子部品メーカーやIT関連企業など約20社が出資する。資本金の額は未確定だが、5月には2億3000万円程度になる予定である。これまでに参加を表明しているのは、半導体・部品コンテンツの提供会社として約45社、セットメーカーなど配信サービスを利用する企業が約50社。PartsWayは、2002年度で4000万円、2004年度で3億円の売り上げを目標にしているほか、2005年までに電子カタログを約90万点まで拡充する計画だ。

 PartsWayの電子カタログ事業は、社団法人の電子情報技術産業協会(JEITA)が推進してきたECALS事業がベースとなっている。ECALSとは、電子部品の分類方法などの電子カタログの業界標準の策定や、カタログコンテンツの作成・配信などの事業の総称である。しかし、これ以上のカタログの整備や拡充にはコストがかかるため、これらの事業を部品メーカーが共同運営会社を設立する格好で引き継ぐことになった。

 PartsWayのサービスは、新規登録や変更があったコンテンツを配信する「差分配信サービス」、設定した条件に合致するコンテンツを検索して配信する「エージェントサービス」、全コンテンツを媒体に記録して提供する「一括メディアサービス」の3種類。利用するには年会費10万円に加えて、個別のサービス料金が必要となる。システムは、出資企業の1社で電子カタログなどのソリューションを提供するポータル(東京都港区)が運用する。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)