オンライン旅行販売の米トラベロシティ社が、日本の大手航空会社3社と共同で、オンライン旅行販売サイトの運営に乗り出した。サイト名は「タビニ」(http://www.tabini.com/)で、3月26日にスタートした。来日した米トラベロシティ社のテレル・ジョーンズ社長に、日本市場にかける意気込みを聞いた。

――米国でのオンライン旅行販売はどういう状況にあるのか。

 米国の個人向け旅行市場は約19兆円規模だが、2002年はネット販売が9%を占める。2006年には、それが17%にまで成長する見通しだ。トラベロシティ社は、2001年に4000億円以上の取扱高があった。
 アジア地域の旅行市場のうち、日本だけで50%を占めている。EC市場が拡大していることを考えれば、日本は戦略的に重要な市場だ。

――日本ではオンライン決済に抵抗がある消費者も多い。どうやってオンラインで購入してもらうのか。

 それは日本も米国も状況は同じだ。重要なことはいくつかある。まずブランドを確立し、安心感を持ってもらうためにプライバシ-ポリシーを明示すること。そして充実した商品とサービスを提供して、クレームには常に真剣に耳を傾ける。こうして顧客の要望を取り込み、常にサービスを改善していくことが重要だ。
 
――「タビニ」におけるトラベロシティ社の役割は何か。

 トラベロシティ社は、オンライン販売の技術と経験、多様な商品を提供している。ただし米国のサービスをそのまま持って来たのではなく、日本市場にあわせてローカライズしている。これはヨーロッパやアジア太平洋地域でのサービスも同様で、エンジンが同じで違う車を作るような作業だ。だから日本でもパートナーが必要だった。ちなみに既に欧州向けサイトを運営しており、日本以外のアジア太平洋地域向けサイトは1カ月後にはオープンする。

――日本でのパートナーに、日本航空と全日空、日本エアシステムなどの大手航空会社を選んだのはなぜか。

 強いブランド力を持っているだけでなく、日本の海外旅行市場と日本人顧客の好みを熟知しているからだ。日本市場に進出したからには、「タビニ」をオンライン旅行サイトのトップにする。それだけでなく、日本の旅行市場を拡大したい。そのためのバックアップをしていく考えだ。

(聞き手は瀧本 大輔=日経ネットビジネス)