ネット専業の広告代理店のナチュラルアイデンティティ(東京都中央区)は、グリーティングカード自体を広告媒体として利用する新サービス「アルファード カード」を、4月1日から開始する。カードの中には、ゲームや占いなどのコンテンツがあり、これ自体が広告となっている。加えて、広告を閲覧したユーザーが、他のユーザーにメールで紹介してもらう仕組みを用意しており、口コミでの広がりも狙える。

 アルファード カードは、ゲームなどのコンテンツ制作とバナー広告配信がセットになっている。いずれも、米マクロメディア社のアニメーション技術の「Flash」を利用し、ナチュラルアイデンティティが自社で手がける。既に4月に2社と契約しており、5月には5社程度が利用する予定だ。コンテンツの制作には約2週間かかり、費用は50万円から。集客用バナー広告の配信費用は、1ページビュー当り7円となる。初年度(2003年3月期)に、1億5000万円の売り上げを目指す。
 
 具体的には、バナー広告をクリックすると、カード閲覧画面が現れてゲームなどのコンテンツを楽しめる。加えてカードの“転送機能”を利用して、他のユーザーにメッセージ付きのカードを送信できる。受信したユーザーには、メッセージとカードを閲覧できるURLを記載したメールが届く。「例えばビールメーカーなら、商品のラベルが光った順番を記憶するゲームなどを通して、銘柄の認知度アップを狙える。さらに『今度飲みに行こう』などのメッセージを送るユーザーが増えれば、口コミ効果も期待できる」と樋口明正社長は話す。

(小川 弘晃=日経ネットビジネス)