楽天市場への新しい料金体系の導入に先だって、楽天が加盟店向けに全国で行う説明会が、3月5日に東京を皮切りに始まった。この説明会は、実質的には値上げとなる新料金に対して加盟店から予想以上の反発が起こったため、楽天が急きょ、開催を決めたもの。三木谷浩史社長自らが、すべての説明会に登場することになっている。

 第1回目の説明会は、東京・渋谷で午後4時から始まった。冒頭で三木谷社長が、新料金導入を決めた経緯や理由を語った。その後、本城慎之介副社長がシステムの改善策などについて、吉田敬取締役がマーケティングサービスの強化などについて説明した。

 この中で三木谷社長は、「現在の定額制から新体系の従量制に移行しなければ、システム投資に耐えられず楽天は赤字に転落する」「店舗間の売り上げ格差が広がっており、定額制では不公平」「2005年には流通総額は、現在の10倍以上の1兆円に達する見込み」などと述べた。

 加盟店との質疑応答では、導入の延期や売上高ではなく売買件数に対する課金を求める声に対しては「延期は考えていない。件数が少なくても売り上げの大きい店舗もあり、売り上げ課金の方が望ましい」と答えた。また、「将来、料率(売り上げの2~3%)を見直すことはあるのか」との問いには、「経営環境に大きな変動が起こらない限り、今の料率を維持する」とした。

 これまでの経緯に楽天と加盟店の信頼関係を損ないかねない点があったとある加盟店が指摘すると、「説明しても、信頼してもらえないのなら仕方がない」と三木谷社長が不快感を表す場面もあった。1時間50分のうち、3分の2の時間は楽天側の説明に費やされた。「ある程度は納得がいった」と評価する加盟店がある一方で、「質問が1加盟店に1つに制限されたことなど、十分に論議を尽くす時間がなかった」と不満を漏らす加盟店もある。

 説明会は明日以降3月16日まで、東京で4回、大阪で4回、福岡と札幌で1回ずつ開催される予定だ。

(河野 修己=日経ネットビジネス)