電通は2月18日、2001年の日本の総広告費の推計を発表した。それによると、総広告費は6兆580億円で、前年比99.1%となった。インターネット広告については735億円で、2000年の590億円に比べて24.6%増、総広告費の1.2%となった。2000年までほぼ毎年2倍のペースで増加してきたが、急ブレーキがかかった。

 ネット広告費の伸びが鈍化したのは、ネットバブルが崩壊してネット専業の“ドットコム企業”の出稿が激減したほか、クリック率の低下や不況で出稿を控える企業が増えたことなどが影響している。日本広告主協会・Web広告研究会の真野英明代表は、「総広告費の1.2%しかない現状では、多くの広告主がネット広告の実力を充分理解しているとは言えない」と語る。

 とはいえ、総広告費が減少した中でインターネット広告は依然、拡大している。NTTドコモのiモードなど、インターネット対応携帯電話向けのモバイル広告についても、まだ額は小さいものの2000年はインターネット広告の約1%に過ぎなかったが、2001年は同3~5%に拡大している。真野代表は、「既存大手企業の出稿は増えている。企業のマーケティング活動の中にインターネットは確実に位置付き始めており、ADSLなどの普及も後押しして今年はネット広告の伸びが再び加速する」とみている。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)