エクサイド(東京都港区)は2002年7月に、ネットに接続したパソコンでドリームキャスト(DC)向けゲームを遊べるようにするサービスを開始する。カーレースゲームや格闘ゲームなどでは、遠隔地のユーザー同士が対戦できるようにもする。サービスは日本だけでなく、韓国、台湾でもほぼ同時に開始する。当初提供するのは、人気ゲームのバーチャファイターなどを含む約100タイトル。

 エクサイドは、セガやナムコなどのゲーム会社からソフトの2次使用権を購入する。ゲーム会社にとっては、DCの生産中止で新たに売れる見込みの無くなったソフトで再び収益を上げられるメリットがある。また同社は、DC向けソフトをパソコンで作動させるための「エミュレーター」を開発中だ。エミュレーターを介してパソコンをADCL(非対称デジタル加入者線)などのブロードバンドネットワークに接続することで、サービスを利用できるようになる。ゲームソフト自体も、ゲーム開始時にネット経由で配信する。

 エクサイドは、エンドユーザーに直接サービスを提供するわけではない。エミュレーターの配布やサービスの実施は、エクサイドと提携した接続事業者が行う。エクサイドの大山俊道社長は「エンドユーザー向けの価格は、エミュレーターのレンタル料金などを含めて月額1000~3000円になるのではないか」と語る。

 従来のオンラインゲームは、パソコン向けが主流。専用機向けと比較すると、動画や音響の質がかなり劣っていた。また、オンラインゲームといっても、ほとんどはユーザー同士がチャットをしたりゲームで使用するアイテム(小道具)を交換したりする程度だった。しかし新サービスでは、キャラクターなどが遅延無くなめらかに動くような技術を独自に開発。互いに離れたユーザー同士でも、カーレースや格闘ゲームをあたかも同じゲーム機でプレイしているかのように遊べる。

 エクサイドは、2001年7月に設立された。ソフトバンクグループが筆頭株主で、ほかにセガやナムコ、エイベックスなどが出資している。1年間で90万人のユーザー獲得と、2003年3月期の段階で300億円の売り上げを目指す。

(河野 修己=日経ネットビジネス)