ヤフーは1月21日から、郵政事業庁(郵便局)が提供する一般小包郵便「ゆうパック」を活用した宅配サービス「Yahoo!ゆうパック」を開始した。主に「Yahoo!オークション」向けの物流サービスとして利用する。

 ユーザーが、コンビニエンスストアのファミリーマートに小包を持ち込むと、通常のゆうパックよりも最大10%の割引料金で発送できる。配送中に破損や紛失などが発生した場合は、最大50万円まで補償する。ヤフーはYahoo!ゆうパックを、広告以外の収益源として急成長しているYahoo!オークションに連動させることで参加者の商品発送を効率化し、オークションの活性化を狙う。

 ユーザーはまず、ヤフーのサイト上で住所や氏名などを登録して「Yahoo!ゆうパックID」を取得する。商品を発送する際に、Yahoo!ゆうパックIDや必要事項を入力して、発送を申し込む。送料はサイト上で、クレジットカードや銀行振り込みで支払う。オークションで落札された商品を発送する場合は、商品の名称や落札価格も自動的に引き継がれるため、取引相手の情報を入力するだけで済む。

 申し込みが完了すると受付番号が表示され、発送者がその受付番号をファミリーマート店内に設置されたキオスク端末「Famiポート」に入力し、出力された申し込み券と一緒に小包をレジで店員に渡すと、手続きが完了する。小包は郵便局の担当者が、各店舗から集荷する。

 Yahoo!オークションは現在、約141万人の会員を抱え、1人あたり月額280円の会費を徴収している。しかし、会費以外の収益源も模索しており、Yahoo!ゆうパックでヤフーは、送料の一部を手数料として徴収する。ファミリーマートは、Yahoo!ゆうパックによる来店数のアップを狙う。システムの運営は、伊藤忠商事が担当する。

 今後ヤフーは、「Yahoo!宅配」というカテゴリーの中で、ゆうパックで取り扱いができない大型の商品の発送などもサポートしていく。郵政事業庁以外の物流会社や、他のコンビニなどとも提携し、宅配サービスを充実させたい考えだ。

(大竹 剛=日経ネットビジネス)