NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は、2001年8月17日から試験的にサービスを開始していた「Vポータル」を、本格的に商用サービスとして展開する。Vポータルは音声認識/音声応答システムを使い、利用者のリクエストに対してWeb上の情報を検索して読み上げたり、オリジナルの音声コンテンツを提供するサービスだ。固定電話や携帯端末から全国統一番号(0570-0033-03)にダイヤルすることで、通話料金のみで利用できる。

 試験サービス期間の利用状況は、月間のべ2万~3万人。アクセス経由は、固定電話と携帯端末が半々だった。天気や株価、占いなど8サイト、10コンテンツをそろえた。主婦や学生の利用が目立ったという。今後は、音声認識の精度を向上させ、Webサイトやメールとの連携や、ゲームなどの機能を拡大する。加えて2月1日からコンテンツプロバイダーの募集を開始し、半年以内には100コンテンツをそろえる予定だ。

 音声でネットの情報を検索・提供するサービスは日本テレコムも「Voizi(ボイジー)」という名称で開始している。しかし、iモードなど携帯端末からのネット接続が普及した現在、音声ポータルの需要を疑問視する声もある。

 コンシューマ&オフィス事業部の市川修司開発営業部長は「Vポータルは、他社サービスより機能面で充実している。また音声サービスには、エンターテインメントなど強みが出せる分野があり、文字情報サービスのiモードとは競合しない」と話す。今後は企業の広告や懸賞型のコンテンツにも進出し、2002年度10~15億円の売り上げを目指す。

(喜田 泰代=日経ネットビジネス)