カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、今秋にも始める農産物販売にネットを活用する。従来の衣料品販売サイト「ユニクロドットコム」とは別サイトで、有機野菜などの農産物をネット販売する。

 同社は「永田農法」で知られる永田農業研究所(東京都足立区)や緑健研究所(静岡県浜松市)、りょくけん(静岡県浜松市)と、業務提携に向け基本合意した。提携先からは農産物生産のノウハウだけでなく、技術特許や商標使用権の提供も受ける。

 農産物は、鮮度や品質を考慮して基本的に国内の契約農家が生産するが、品目によって海外生産も検討する。実店舗でも販売するが、Webサイトと同様に「ユニクロ」とは切り分ける。それぞれの販売チャネルで取り扱う品目や、ネットで受注した農産物の発送に必要な物流などの仕組みは、今後詰める。販売価格は「始めに品質ありき」(ファーストリテイリング)のため、衣料品のように“価格破壊”とはいかないようだ。
 
 生鮮食料品をネットで販売する企業は以前からあるが、物流面や供給の安定性などが課題となっている。ファーストリテイリングは、商品供給について「永田農法の契約農家のネットワークでカバーできる」とみており、年商10~20億円規模の事業に育てる考えだ。

(瀧本 大輔=日経ネットビジネス)