ポータル大手のライコスジャパン(東京都港区)が、検索サービス「Lycosサーチ」を全面リニューアルした。検索エンジンに米ワイズナット社の技術を日本で初めて導入し、ページの内容解析機能による高精度な検索サービスを売り物にポータル業界での巻き返しを図る。ライコスジャパン執行役員の平出仁チーフコンテントオフィサーに聞いた。
 
――ワイズナット社の検索エンジンの特徴は。

 最大の特徴は、検索対象となるページの内容を解析して、ユーザーが打ち込んだ言葉の意図に近い検索結果から優先的に表示することだ。ベースとなる検索機能は米グーグル社の「Google」と同様で、対象ページが他のサイトからどの程度リンクされているか、などに応じて検索結果の表示順位を決めている。これに加えて対象ページの内容を解析することで、同じキーワードでも意味が違うものを分類表示することもできる。こうした点から、米国では「Google」以上の高機能とも評価されている。
 
――日本の他社サイトでも採用されるようになれば、導入による優位性が薄れていくのではないか。

 検索対象ページの内容解析を、導入サイトごとにチューンすることが可能だ。つまり米ワイズナット社のエンジンを導入したサイトごとに、検索結果が違うことも起こり得る。同社のエンジンの日本語化に協力していることや、過去の検索サービスのノウハウも生きてくるはずだ。自社が蓄積してきたデータには自信を持っている。エンジンの刷新は、今後のリニューアルの第1弾にすぎない。
 
――今後のリニューアル計画は。

 ポータルサイトを既存のバナー広告の収入だけで維持するのは厳しい。「動く広告」やキーワード広告などに続いて、もう次の手法を考えている。広告以外の収入も模索していきたい。ちょうどフリーメール機能を刷新したばかりだが、通常のメールソフトからも利用できるなどの追加機能を提供し、ユーザーに課金するようなビジネスモデルも考えられる。そのためにも、サイトを利用するユニークユーザー数は重要だ。まだ詳しくは話せないが、全体的に大きなリニューアルを行って、独自性を打ち出していく。

(聞き手は瀧本 大輔=日経ネットビジネス)