NTT-Xが運営するポータルサイト「goo」が、新しいネット広告のサービス「モーション広告」を12月5日から開始した。最初のクライアントになった日本マクドナルドの広告では、gooのトップページやキーワード検索の結果を表示するページを開くと、日本マクドナルドがタイアップキャンペーンする映画アトランティス(12月8日公開)に登場する本が表示され、ページ上を動き回る。その本をクリックするとキャンペーンサイトに飛ぶようになっている。

 こうした、固定のスペース枠で告知していた従来のネット広告とは違い、ページ全体を広告スペースのように扱う新しいタイプの広告を採用する大手サイトが相次いでいる。gooだけでなく、ライコスジャパン(東京都港区)が運営するポータルサイト「LYCOS Japan」やマイクロソフト(東京都渋谷区)の「MSN」、ニュースサイトの「NIKKEI NET」などが導入している。この新しいタイプの広告にはまだ決まった名称がついていない。リッチメディア広告や動画広告と呼ばれたり、最近では“動く広告”ということから、モーション広告という名称もネット広告業界で浸透し始めている。

 いち早く始めたのがLYCOS Japanだ。2001年7月にやはり日本マクドナルドの広告をトップページで展開した。マクドナルドのキャンペーンに登場するキャラクターがページの上から落ちてくるものだ。8月には飲料・食品メーカーのネスレジャパングループの缶コーヒーのロゴがページ上を動き回るといった広告を展開した。このほかにも10月にはパイオニア、12月にはナイキ ジャパン(東京都品川区)が同様の広告を出している。

 NIKKEI NETは9月に開始。ページ上を飛行機が横切る、ノースウエスト航空の広告を展開した。12月にはナイキ ジャパンと東芝も同様に、ページ全体を広告スペースとして使う広告を出稿した。MSNも11月に新サービスを発表、12月中にクライアントを1社獲得する予定だ。

(小川 弘晃=日経ネットビジネス)