松下電器や東芝、日立製作所などが共同で進めている東経110度CSデジタル放送サービスの概要が固まった。事業会社であるイーピー(旧イー・ピー・エフ・ネット、東京都中央区)が2002年4月から提供する「epサービス」は、EC(電子商取引)やエンターテインメントなど7ジャンルが柱となる。ハードディスク内蔵型の受信機は、松下電器など4社が発売し、価格は8万円台になりそうだ。
 
 「epサービス」は、受信機「epステーション」に内蔵したハードディスクに、CSデジタル放送で取り込んだ情報を保存しておく蓄積型放送が特徴。視聴者が番組を好きなときに取り出せるだけでなく、内蔵モデム経由でネットに接続することで、テレビでもWebサイトのような双方向サービスの提供が可能だ。
 
 サービスは3チャンネルで構成し、プロモーションチャンネルと会員向け蓄積型データ放送を中心に提供する。蓄積型データ放送は楽天の「楽天市場」などのEC(電子商取引)のほか、生活・地域情報、金融、教育、趣味・娯楽情報、チケット予約、娯楽コンテンツの7ジャンルが柱になる。プロモーションチャンネルの番組数は約50本で、大半がオリジナルの新番組。2002年夏ごろには、オークション番組も追加する予定だ。

 「epステーション」は、40Gバイト以上のハードディスクと56kビット/秒のモデムを内蔵する。放送開始に合わせて、当初は松下電器のほかシャープ、東芝、日立の4社が発売するが、それぞれ性能や付加機能が異なる。価格は「サービスの1年契約を前提に、本体だけで8万5000円強のレベルになる」(イーピーの戸田長作社長)見込みだ。サービス料金は初期費用として3000円、月額利用料は1000円程度になる。

(瀧本 大輔=日経ネットビジネス)