NTTドコモは,予定通り2001年10月1日から第3世代携帯電話サービス「FOMA」を正式に開始する,と発表した。まず首都圏郊外を走る国道16号線の内側のエリアでサービスを開始し,2001年12月に東海,関西地区,2002年4月に全国に拡大する。一方,総務省が支援を検討しているMVNO(Mobile Virtual Network Operator)に対しては,否定的な見解を表明した。

 MVNOとは,仮想移動体通信事業者のこと。既存の携帯電話会社から基地局やネットワークなどの設備を借り受けて,独自の移動体通信サービスを提供する企業を指す。既に参入を表明した日本通信(東京都品川区)は,2001年10月1日からDDIポケットのPHS網を利用して,MVNOとしてサービスを開始する。

 総務省も携帯電話ビジネスの競争を促す目的で,参入を支援する制度の導入を検討している。しかし,携帯電話市場で圧倒的なシェアを握るNTTドコモは,ビジネス上競合するMVNOへの設備提供に否定的だ。同社の立川敬二社長は「MVNOに設備を提供するには,周波数の空きが必要。しかしFOMAでは,周波数が足りないぐらいだ。MVNOが入る余地はない」と断言した。

 ちなみに,最大384kビット/秒のデータ通信料金は,現行のサービスと同水準である1パケット0.2円に設定する(1パケット=128バイト)。代わりに4つの定額料金メニューを用意し,定額利用料を支払うと通信料金を割り引く。例えば「パケットパック80」では,定額料は8000円で40万パケットまで通信できるが,これを超えた場合1パケットあたり0.02円という安いレートで利用できる。
(太田 憲一郎=日経ネットビジネス)