「NTTに依存しない“ラスト1マイル”のアクセス網の整備に力を入れる」(東京電力の築山宗之常務)――。東京電力は5月25日から,子会社のスピードネット(東京都港区)を通じて無線を使った最大1.5Mビット/秒のインターネット接続サービスを提供する。ユーザーは家のベランダなどに無線の受信アンテナを取り付けることで,月額4350円でサービスを利用できるようになる。2001年夏には基地局からユーザーの宅内に直接光ファイバーを引き込むFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)事業にも乗り出す。

 このサービスは,東京電力が光ファイバーと小型の基地局を組み合わせたアクセス網を整備し,子会社のスピードネットがプロバイダーとして基地局周辺のユーザーにインターネット接続できる無線サービスを提供するもの。まず埼玉県さいたま市の一部区域でサービスを開始し,2001年には三鷹市などの東京都市部,2002年には千葉県市川市などに展開する計画だ。

 FTTH は,NTT東日本とNTT西日本が2001年7月にも開始するFTTHサービス「Bフレッツ」の対抗サービスと位置付ける。東京電力は2001年3月末にスピードネットの第三者割り当て増資を引き受け,出資比率を77.13%に引き上げ子会社化した。今回の事業では東京電力は約50億円を投資して,5万キロメートル以上の光ファイバー網を敷設する計画だ。
(永井 学=日経ネットビジネス)