がん具のEC(電子商取引)サイト大手の米イートイズ社は2月26日(米国時間),今後5~10日内に米連邦破産法の適用を申請すると発表した。資金難から今後の事業継続を断念した。同社のECサイト( http://www.etoys.com/ )は3月8日で閉鎖する予定。負債総額は約2億5000万ドルに上る。

 同社の第3四半期の業績は,1億3120万ドルの売り上げに対して7450万ドルの損失を計上した。再建に向けて2001年1月4日に全従業員の7割に当たる約700人の従業員を削減。さらに1月25日には4月6日までに全従業員のレイオフを実施すると発表した。ECサイトも4月6日までは運営を続ける計画だった。

 しかし同社の株価は2001年1月から1ドルを切り低迷。イートイズが上場するNASDAQでは,株価が30営業日連続で1ドルを下回ると上場廃止の対象になる。その後の90日間で10営業日連続で1ドルを上回れば上場復帰となるが,同社ではその可能性は低いと示唆していた。

 米国では株式市場での資金調達で急速な事業規模の拡大を狙うドットコム企業の経営手法が完全な行き詰まりを見せている。がん具の分野では2000年5月に米トイズマートドットコム社が破産を申請した。2000年から2001年にかけて,がん具のECサイト上位10社のうち,生き残ったのは米アマゾン・ドットコム社と組んだ米トイザラスドットコム社だけという厳しい状況だ。

(シアトル発,永井 学=日経ネットビジネス)