ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は2月21日に,2001年度の事業戦略を発表した。この中でプレイステーション2(PS2)を核にしたネット戦略を明らかにした。
SCEIは,プレイステーション・ドットコム・ジャパンやソニーファイナンスインターナショナル,ソニーコミュニケーションネットワークの3社と共同でサービスを提供する。2001年7月から,PS2を使ったネットワークゲームを考えているゲームメーカーやEC(電子商取引)などのネットビジネスを計画している企業向けに,認証・課金システムやホスティングなどのサービスを提供する。
認証には,PS2用の「MagicGate」対応メモリーカードを使用する。これとPS2本体のID番号や,4月から新たにPS2用のディスク(DVD-ROMやCD-ROM)1枚1枚に組み込まれるID番号を組み合わせる。各IDの管理および認証を行うサーバーは,プレイステーション・ドットコム・ジャパンが管理する。SCEIは2001年7月にPS2用のハードディスクを発売するが,これらの認証の仕組みを使うことで,ネットからコンテンツをダウンロードしたり,CD-ROMなどからデータをコピーしたりできるようにする。
ゲーム会社がコンテンツをダウンロード販売できるように,課金回収システムを用意する。これはソニーファイナンスインターナショナルが運用するもので,主要なクレジットカードによるネットの決済が可能。このほかゲーム会社向けにホスティングサービスも用意した。これはソニーコミュニケーションネットワークが既に企業向けに提供しているサービスを利用する。
またSCEIはセガやナムコと提携し,2001年12月からアミューズメント施設向けのブロードバンドサービスにも乗り出す。2002年からは全国展開する。PS2をベースに拡張した光ファイバー網対応のブロードバンド対応マシンを開発し,セガやナムコが運営するアミューズメント施設に設置する。SCEIやセガ,ナムコがネットワーク対応のコンテンツを開発する予定だ。同マシンは,100Mビット/秒のEthernetインターフェースを搭載し,128Mバイトのメモリー,80Gバイトのハードディスクを搭載する。
このほか,発表会ではPSやPS2とiモード対応携帯電話を接続する接続ケーブルも発表した。3月29日に発売予定で,価格は3500円。併せて,iモードと連携したゲーム「iモードもいっしょ(仮題)~どこでもいっしょ追加ディスク~」と「Check-i-TV」を発表,それぞれ4月19,4月26日に発売開始する。