石油プラント向け資材のe-マーケットプレイスを運営する米ペトロコズム社のアレクサンドラ・プルナー副社長が,アジア市場開拓などの目的で来日した。「e-マーケットプレイスに2通りある」と主張するブルナー副社長に,その意味を聞いた。

――「マーケットプレイス」と単なる「エクスチェンジ」は別物と主張しているが。

 一口にe-マーケットプレイスといっても,サービス内容は大きく2つに分かれる。1つは完全にオープンな市場として,複数の売り手と買い手が価格優先の商品売買を行う「エクスチェンジ」。もう1つは,市場に参加する企業のサプライチェーン全体を支援するツールを持つ「マーケットプレイス」だ。

――エクスチェンジとマーケットプレイスでは,具体的にどの様な差があるのか。

 エクスチェンジの場合,石油や電力といった,どこで買っても同じ品質のコモディティー(市況商品)を主に取り扱う。そのため,仲介手数料はあまり取ることができず,大量のトランザクションを抱えないとビジネスとして成立しない。

 一方,マーケットプレイスは,特定のニーズを対象にした商品を扱う。当社のサービスがその典型例で,プラント向けの特殊な資材やドリルなどを取り扱っている。さらにマーケットプレイスは,参加企業の在庫管理システムや,プラント建設プロジェクトに参加する企業の募集などを支援するツールなどを提供している。そのため,エクスチェンジよりも高い仲介手数料を取ることが可能だ。

――日本でのe-マーケットプレイスをどう見るか。

 日本でも在庫処分サイトなどe-マーケットプレイスが急増しているが,まだエクスチェンジが大半を占めており,サプライチェーンまで支援するマーケットプレイスは少ないのではないか。当社は2000年中にもアジアに拠点を築いて日本市場に参入する予定だが,サプライチェーンまで支援できるツールを武器に,ユーザーを獲得したい。(大竹 剛=日経ネットビジネス編集)