旭化成工業は9月13日、建築用資材のe-マーケットプレイス「casa navi」を正式にスタートした。型落ち品や売れ残り品など通常では買い手の見つけにくい商品を、ネットを通じて取引できる。

 取り扱う商品は、床や柱として使う加工済みの材木や断熱材から、ドアやシャッター、温水洗浄便座やキッチンなどの水周り品まで多岐に渡る。運営は5月に、旭化成のほかにNEC、ECサイトを運営するネットベンチャーのスプートニク(東京都世田谷区)、建築用CADシステム開発のイー・アンド・エム(東京都千代田区)が出資して共同で設立したカーサナビ(東京都千代田区)が担当する。旭化成も住宅・建材部門を持つが、それからは独立した組織として運営する。

 特徴は、メーカーと工務店が中間流通を介さずに、直接取引できる点にある。既に7月から実験的にサイトを運営しており、これまでに製品を提供する売り手のメーカー側が約30社、買い手側の工務店や設計事務所が300社集まっている。カーサナビは、アウトレット品を販売するメーカー側から成約金額の8%程度を得る。森本厚彦カーサナビ社長(旭化成ネットビジネス推進部長と兼任)は「商社からも運営に参画したいとの問い合わせがあったが断った。ネットを利用して流通の簡素化を実現し業界の活性化につなげたい」と狙いを語る。

 今後運営が軌道に乗った段階で、アウトレット品に限らず、新製品の取引にも業容を拡大していく。顧客のリフォームや修理の要望をネットで受け付け、それをカーサナビに参画している工務店に紹介する事業も計画している。同社では、2003年3月期に取扱高200億円、カーサナビの売上高15億円を目標にしている。

(本間 康裕)