オブジェクト・マネジメント・グループ・ジャパン(OMGジャパン)は,システムをモデル化して開発するための標準の技術体系として,「MDA(モデル駆動型アーキテクチャ)」を採択したことを,3月23日に発表した。まずシステム化する要件をもとにビジネス・ロジックをモデル化し,それをCORBA(共通オブジェクト・リクエスト・ブローカ・アーキテクチャ)やJavaといった言語やプラットフォームに当てはめてシステムを開発するという手法である。従来のように,プログラム言語や利用するツールを考慮したプログラム設計はしない。

MDAの核となるのは,UML(統一モデリング言語)やCWM(Common Warehouse Metamodel)といった,OMGが策定した標準的なオブジェクト指向分析/設計言語である。これらを利用し,アプリケーション・モデルと実装するための技術を完全に分離する。新しい技術に対応するためにシステムを再構築したり,ほかのシステムと統合したりする場合でも,これらの言語を使って設計されたアプリケーション・モデルは変更する必要がない。システム間の相互運用をスムーズに実現し,新しい技術に対応する際のアプリケーションの移植性を高められる。

実際の開発作業は次のようになる。まず,ツールを使って,モデル化したビジネス・ロジックを,CORBAやJava,XML,XMI(XMLメタデータ交換),SOAP(簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル)といった具体的な標準技術にマッピングする。すると,ツールが,モデル情報から自動的にプログラム・コードを生成する。また,どのようなモデルをどの技術に対応させるかという仕様は,今後OMGが規定していく。

OMGジャパンは,2000年9月に設立された米OMGの100%子会社。米OMGは,分散コンピューティングやシステムの相互接続についての技術やフレームワークを取り決めている団体である。(T.F.)