JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は12月10日,「インターネット定点観測システム(ISDAS)」の観測データをWebサイト上で公開した。DDoS(分散型サービス妨害)攻撃やワーム型ウイルス発生の兆候をトラフィックの急増から把握できるようにして,企業などのネットワーク担当者に対して迅速なセキュリティ対策を促すことが目的である。

 ISDASはJPCERT/CCが2003年11月に稼働させた通信量観測システム。国内のインターネット上の要所に「センサー」と呼ばれる専用機器を設置。各センサーはすべてのトラフィックを計測し,計測結果を統計システムに送る。統計システムでは,収集したトラフィック・データをプロトコル別に分類。1週間分の観測データのうち,通信量が多かった上位5種類のプロトコルとping(ICMP echo)についての観測結果をグラフ化して掲載する。情報は毎週更新する。

 同様の取り組みは,アジア地域など海外のコンピュータ緊急対策チーム(CSIRT)も実施している。このため,将来的には,他国のCSIRTと連携し,統合的な分析結果も公表する考えである。
(T.F.)