Webサイト構築サービスなどを手掛けるエッジは12月3日,相手が接続しているISP(インターネット接続サービス事業者)によらずに通話できるIP電話機「livedoor SIP フォン」を発売した。livedoor SIPフォンのユーザー同士なら通話料は無料。電話機は,インターネット接続環境があれば,何も設定せずに,ADSLモデムなどにイーサネットで接続するだけで使える。価格は1台9800円,2台セットで1万9000円。ほかに利用料などはかからない。

 通常のIP電話は,同一または提携ISPと契約している相手としか通話できない。livedoor SIP フォンの場合,エッジが運用するSIPサーバーを介して接続するため,ISPによらずに通話できる。各電話機には,工場出荷時に固有の端末ID(8けた)が設定してあり,相手を呼び出す際は,電話番号ではなく相手の端末IDを使う。SIPサーバーは受け取った端末IDを基に,相手の電話機を呼び出す。SIPサーバーのIPアドレスは,端末IDと一緒に電話機にあらかじめ設定されている。

 ただし,ISPのIP電話サービスや他社製のIP電話機を利用している相手,あるいはNTT電話,携帯電話などのユーザーと通話する場合は,別途「公衆網接続サービス」の契約を結び,エッジから割り当てられる050番号を使って発着信する。公衆網接続サービスを利用する場合は,月額370円の基本料と,全国一律3分7.5円(IP電話あるいはNTT電話)の通話料がかかる。初期費用は1480円。110番,119番などの緊急電話はできない。

 ユーザーは,無償でボイスメール機能(留守番電話機能)を利用できる。相手が不在の場合,自動的に留守番電話サービス・センターに転送される。発信者がメッセージを録音すると,発信者の電話番号/端末IDが記述されたメールが,「(着信者の端末ID)@sipXXX.livedoor.com」(XXXはSIPサーバー番号を表す3けたの数字)というメール・アドレスに送られる。このメールには,録音されたメッセージがWAVファイルとして添付されるため,パソコン上でメッセージを再生できる。
(Y.K.)