松下電器産業など4社が2002年5月に設立した「NonPCインターネットコンソーシアム」は10月30日より,ネット家電端末を利用した実証実験を行う。実証実験は,IPv6を使い,ネット家電を通じてサービスを提供する上で必要となる基本仕様を定めるのが目的である。期間は2004年3月31日までの5カ月間。NonPCインターネットコンソーシアムは,研究結果やインフラの共同利用による経営の効率化と競争力の強化,ネット家電端末の接続規格の採択,サービスの共同開発による相互利用などを目的としている。

 実験内容は,(1)ネットワーク・カメラの映像を遠隔地のPCやPDAで監視する「モニタリング」,(2)動画コンテンツをPCやPDAでストリーミング/ダウンロード配信し閲覧する「映像配信」,(3)PCなどに接続したディジタル・カメラなどを利用し,PtoPで通信する「ビデオ・チャット」,(4)各機器にアクセスするための認証や名前解決などを提供するための「IPv6接続用ポータル」,(5)利用者IDや機器IDを使って,各機器にアクセスできる利用者を識別し,アクセス制御する「プロファイルによる機器・利用者認証」である。

 機器はシャープの「Zaurus SL-C750」やパナソニックコミュニケーションズのネットワーク・カメラ,三洋電機のディジタル・カメラ「DSC-J2」の特別仕様版などを利用する。SIPサーバーやクライアント用ソフトはソフトフロントが開発した。IPv6環境は,トンネル,デュアル,ネイティブを参加企業が選択する。実験環境は各参加企業の事業所内に構築する。

 参加企業は,NonPCインターネットコンソーシアムを設立した松下電器産業,三洋電機ソフトウエア,東芝情報システム,ドリーム・トレイン・インターネットの4社に加え,アッカネットワークスやイー・アクセス,NTTソフトウェア,シャープ,バガボンドなど計18社が参加する。(A.Y.)