日本信販(NICOS)は10月14日,Webサイトでの決済に使える電子マネーの新サービス「NICOS 電子マネー・リアルカード方式」を開始した。電子マネー(厳密には電子マネーを取得するためのID)を“紙”に印字して物理的なモノとして配布できるのが特徴。顧客をEC(電子商取引)サイトに誘導するための販促ツールとして利用できる。

 同社は2001年7月から,「デジコイン」という電子マネーを提供している。ただ,従来のデジコインはインターネット専用。マーケティング用に贈呈・配布するには,電子メールで送るしかなかった。しかし実際のマーケティングでは,実店舗や街頭でのスクラッチ・カード/チラシ配布や,ダイレクト・メール送付といった手段が主流である。そこで新しいリアルカード方式では,IDを印字した紙を配布することでデジコインを配れるようにして,クーポン券やギフト・カードとして実社会でのマーケティングに利用しやすくした。

 仕組みはこうだ。まず,NICOSと契約したECサイトは,電子マネー・システムにアクセスして電子マネーの額と有効期限,IDの個数を指定し,IDをダウンロード。このIDと自社サイトのURLをスクラッチ・カードなどに印字して顧客に配布する。1ID当たりの金額は自由に指定できるが,1回で取得できるIDはすべて同額。金額が異なるIDを取得するには,別々に申し込む必要がある。料金は,取得した電子マネーの合計額と,有効期限内だけかかる月次手数料。月次手数料は,発行したID数などによって変わる。

 顧客は,ECサイトにアクセスして電子マネー取得ページでIDを入力すれば,自分の電子マネー口座にデジコインが振り込まれる。デジコインは,そのサイトでの商品購入やギフトとの交換に使える。

 ECサイト側では,顧客を電子マネー取得ページ(NICOSの電子マネー・システム)に誘導するためのリンクを設定しておく。また,IDを受け取った顧客は,NICOSの電子マネー・システムに,専用口座を開設する必要がある。
(Y.K.)