ソニー・ミュージックエンタテインント(以下,SME)は,2003年1月からコピー・コントロールCDを発売する。名称は「レーベルゲートCD」。音楽データを不正コピーするのを防ぐ。音響機器のCDプレーヤではそのまま再生できるが,PCで再生するにはSMEがインターネット上に設置したサーバーからライセンスの取得する必要がある。

 レーベルゲートCDは,2つのコピー防止機構を備える。1つは,CDの音楽データをPCで再生できないようにする機構。CDS(カクタス・データ・シールド)という技術を使っている。もう1つは,CDの音楽データとは別に収録したPC用の音楽データを,SMEが許可した条件下でのみコピーする機構である。SMEが設置した「レーベルゲートCDサーバー」で認証して,ライセンスの発行を受けないと,PC用の音楽データをハード・ディスクにコピーできない。PCで再生するための専用プレーヤ・ソフト「MAGIQLIP」は,ハード・ディスク上の音楽データしか再生できない仕組みになっている。認証時には,レーベルゲートCD1枚ごとに付けられた一意のIDを送り,PC用の音楽データのコピーに必要なライセンスを発行してもらう。1回目のコピーは無料だが,2回目以降は有料(楽曲数×200円)にするという。

 ハード・ディスクにコピーしたPC用の音楽データは,ソニーが定めた「OpenMG」という著作権保護技術で保護されている。MAGIQLIPから,OpenMGに準拠したMDプレーヤやジュークボックス・ソフトに転送して聴くことも可能である。転送可能な回数などが,OpenMGによって制御されるという。

 レーベルゲートCDになるのは,SMEが2003年1月22日以降に発売する邦楽の12cmシングルCD。SMEは,アルバムなどもレーベルゲートCDにするかは未定だとしている。(Y.Y.)