東陽テクニカは,無線LANの伝送速度やセキュリティなどをチェックするソフトウエア「AirMagnet Handheld」の販売を9月1日に開始する。米エアマグネットの製品である。Pocket PC 2002を搭載したPDA(携帯情報端末)などインストール。IEEE(米国電気電子技術者協会)802.11bを使った無線通信に障害や不具合がある場合に,その原因を調べるためのツールである。東陽テクニカは,コンパックコンピュータのPDA「iPAQ」にプレインストールして出荷する。

 AirMagnet Handheldを導入したPDAは802.11bの無線通信ができるよう,あらかじめ無線LANカードなどを組み込んでおく。実際に無線の信号を受信し,パケットの内容を読み取ったり,通信速度を計測したりする。それをグラフや表などを使って画面上に表示。ユーザーは,それを基に不具合や障害の原因を分析する。

 たとえば,無線LANの通信がうまくいかないといった場合,その原因が無線信号の強さや品質にあるのか,SSID(サービス・セットID)やWEP(有線等価プライバシ)の設定にあるのかなどがわかる。常時パケットをモニターして統計を取り,障害や性能の低下といった問題を検出する「AirWISE」という自動診断機能を備える。

 通常802.11bなどの無線通信では,WEPを使って無線通信を暗号化しているが,AirMagnet Handheldはこれを復号化する仕組みを持つ。PDAに同じWEPキーを設定しておくことで,パケットを読み出す。802.1xをベースにした認証・暗号化方式をサポートしているのも特徴である。EAP(拡張可能認証プロトコル),LEAP(EAP-Cisco Wireless)などの方式を使って正しく認証できているのかをチェックする機能がある。また,Ping,Tracerouteといったツールを備えており,ネットワークの経路の確認などが可能。価格は,iPAQ込みで59万8000円から。(T.F.)