米シマンテックは7月29日,企業のネットワークに接続するクライアント・パソコンのセキュリティを高められる統合ソリューション「Symantec Client Security」を発表した。アンチウイルスとパーソナル・ファイアウォール,デスクトップ用のIDS(侵入検知システム)の機能を統合した製品で,それぞれが連携して動作する。また,ネットワーク管理者が,クライアントのセキュリティを一元管理するための仕組みも持つ。

 Symantec Client Securityは,大きく分けて2つのコンポーネントで構成される。クライアントに搭載するソフトと,各クライアント・ソフトのインストールや設定,管理を一元化する管理ソフト「Symantec System Center」である。クライアント・ソフトには,アンチウイルス機能,パーソナル・ファイアウォール機能,IDS機能が統合されており,これらが連携して高度なセキュリティを実現できる。たとえば,パーソナル・ファイアウォールが不審なファイルの送受信を見つけると,リアルタイムのウイルス・チェック機能の設定がオフになっていても,自動的にウイルス・チェックを起動する。さらに,アンチウイルスは,そのファイルがウイルスに感染していると判断すると,パーソナル・ファイアウォールのセキュリティ・レベルを自動的に「high」に変更して,ファイルの送受信を遮断する,という具合である。

 また,アンチウイルスのパターン・ファイルとIDSのシグニチャ(攻撃かを判断する情報),ファイアウォールのフィルタリング・ルールの最新情報は,1つのアップデート情報(LiveUpdate)として提供される。管理ソフトは,シマンテックのセキュリティ対策チームが提供するアップデート情報を受け取り,各クライアントに対してアップデート情報を自動配布する。この仕組みにより,管理者の負荷を軽減できると同時に,新たなウイルスや攻撃にも迅速に対処できるようになる。
(Y.K.)