米リアルネットワークスが,新戦略を打ち出した。これまで開発してきたソフトウエア製品の一部をオープンソース化し,新たに設立した「Helix Community」という開発コミュニティ向けに公開する。また,併せてストリーミング配信のためのサーバー・ソフトの新版「Helix Universal Server」の出荷を開始した。

 Helix Communityは,Webサイトを活動の場にする開発コミュニティ。Webサイト(http://www.helixcommunity.org/)で,氏名やメール・アドレスなどを登録すれば誰でも参加できる。リアルネットワークスは,クライアント・ソフト「Helix DNA client」,配信ソフト「Helix DNA server」,エンコード・ソフト「Helix DNA encoder」の3製品について,ソース・コードを公開。開発のために必要な1000以上のAPIも提供する。ユーザーは,Helix CommunityのWebサイトでユーザー登録することで,これらを利用できる。多くのユーザーが開発に参加し,その成果をHelix Communityにフィードバックすることで,多機能化や高性能化を図る。ただし,利用する際には,「リアルネットワークス・パブリック・ソース・ライセンス(RPSL)」と「リアルネットワークス・コミュニティ・ソース・ライセンス(RCSL)」の2つのライセンス条件に従う必要がある。RPSLは,ほかのHelix Communityの製品とのインタフェースを確保するためのもの。RCSLは,開発したソフトウエアをオープン・ソースとして公開することを義務付けたもの。

 Helix Universal Serverは,RealSystem8の後継にあたる製品。特徴は,サポートするフォーマットが豊富な点にある。これまでの同社のサーバー・ソフトではRealAudioとRealVideoにしか対応していなかったが,Helix Universal Serverでは,Windows Media Technologies,QuickTime,MPEG-1/2/4などのフォーマットも配信できる。配信性能が向上しており,デュアルPentiumIII Xeon 700MHzのサーバー機を使えば,20kビット/秒のコンテンツなら,1万1000セッションの配信が可能だという。

 また,同時にコンテンツ作成ツール「Helix Producer」も発売する。対応するOSは,Helix Universal Serverが,AIX,HP-UX,FreeBSD,Linux,Solaris,Tru64,Windows NT/2000。Helix Producerは,Linux,Windowsに対応する。日本国内での販売価格,時期はまだ決まっていない。(T.F.)